Before Cyberspace Falls Down...

"Atoms for peace and atoms for war are Siamese twins” Hannes Alfven

信頼醸成措置デー

坪内淳. (1997). OSCEプロセスとASEAN -アジア太平洋の安全保障分析枠組への序説-. 国際政治. を起点に引用をたどった。

  • 坪内淳「欧州安全保障協力会議(CSCE)の機構化と信頼醸成措置(CBM)の意義変化――冷戦終結の文脈の中で」『早稲田政治公法研究』第50号(1995年)

  • 坪内淳「『信頼醸成』――国際安全保障理論の新たな視角」『早稲田政治公法研究』第51号(1996年) *「欧州安全保障協力会議(CSCE)における信頼醸成措置(CBM)の確立と発展――ヘルシンキ宣言とストックホルム文書を中心として」『早稲田政治公法研究』第47号(1994年)

  • Lynn-Jones, S. (1985). A Quiet Success for Arms Control: Preventing Incidents at Sea. International Security, 9(4), 154–184.
  • 山本吉宣「協調的安全保障の可能性ー基礎的考察」『国際問題』1985.8

特に「『信頼醸成』――国際安全保障理論の新たな視角」の論文のIII.信頼醸成措置概念の章はCBMs解説の中でもっとも簡にして要を得ているように思える。この中で坪内はまた「(信頼醸成の)言葉の意味するところは非常に曖昧なものであることが多く、国際政治でこれまでもちいられてきた文脈との整合性や、その歴史的背景への考察が欠如していることもしばしばである。」と指摘している。 私はその理由のひとつは訳語選択のミスにあるとおもう。CBMsの概念を知った最初から感じていたが、Confidence Buildingに信頼醸成の語をあてたのは失敗だ。信頼醸成でなく構造構築とかにしておけばここまで誤用されることもなかったのにと思う。

その他にいろいろ気付きがあったし、少なからず自分の誤った理解に気づくことができて本当によかった。(早速本の原稿加筆しないといけない。) 5月末の論文の〆切にむけってアイデアをまとめるというアウトプットの作業をしにきたのだが、結果的にはインプットで1日がおわってしまった。

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お昼はカレー。

海賊対処行動拠点密着取材記

スーダンPKO特集が気になって手にとった扶桑社のMAMOR vol.84 Februaryに『自衛隊・海賊対処行動拠点密着取材記 ライター岡田真里がジブチ共和国からお伝えします!』という連載がのっていた。

(暑さゆえに)靴の接着剤がとけてダメになるとか、着任1-2週間で粒子の細かい砂で粘膜をやられる通称「ジブチ病」にかかるなどなど、参考になる。ジブチの生活が想像できる日本語資料は皆無に等しく、この連載は貴重である。

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MAMOR vol.84 February, 扶桑社, p40より

MAMOR (マモル) 2014年 02月号 [雑誌]

MAMOR (マモル) 2014年 02月号 [雑誌]

動画


【岡田真理】海賊対処の自衛隊拠点・ジブチはこんなところ![桜H26/3/4] - YouTube

ライター岡田氏のブログ

ジブチの街角の写真などが掲載されている。 http://okadamari.blog112.fc2.com/blog-date-201312.html?q=%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%81&charset=utf-8

2月号から最新の6月号までを読んで現地に思いを馳せる。本連載にあるような入国時のトラブルは勘弁だなぁ。。。

五島浩司 『アデン湾・ソマリア沖海賊対処行動を終えて』

アデン湾・ソマリア沖海賊対処行動を終えて - Webcat Plus http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/work/355976.html

ジブチ出張を前にソマリアの海賊とジブチについての予習のために『アデン湾・ソマリア沖海賊対処行動を終えて』という五島浩司氏(H21第一次派遣海賊対処水上部隊指揮官)の講演記録を読む。

海賊とアデン湾の実態

海賊は海賊行為をしているときにのみ海賊として扱える。たいていの海賊は漁業、人身売買、麻薬密輸などをあわせておこなっているため海賊行為の現場をおさえることは容易でない。特にスキフとよばれる小型船は上空からは海賊行為のためのものか、漁をしているのか判別しにくい。

p137に海賊と船を乗っ取られた人質の比較的リラックスした様子の写真がある。商船側は無駄な抵抗をせず、身代金を支払って早期に開放されることを望むため、人質になったからといって命の危険にさらされるというわけではなさそうだ。

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アデン湾・ソマリア沖海賊対処行動を終えて, 137ページより引用

  • 2009年はソマリア沖よりもアデン湾での海賊行為が多かった。1年で合計211件が確認されうち45件は海賊が乗っ取りに成功している。
  • アデン湾を通過する船は約2万隻、そのうちのおよそ10%が日本関連の船である。
  • 海賊が活動するアデン湾周辺(900km)を嫌って、喜望峰周りのルートを通るという選択肢もあるが、これは航路にして6000km、時間にして10日間のロスになる。(したがって商船は多少のリスクがあってもアデン湾を通行する)
  • 期間中護衛したのは41回121隻。ただし他国の船籍の船からの護衛依頼に対しては「護衛対象に加えられない」とした上で、すぐ近くを航行するのを許した。このあたりは現場の柔軟な運用ということだろう。

ジブチ

  • イスラム国家だが酒は飲める。野菜やミネラルウォーターで食あたりになる。

そのほか

  • 現場を支えたのは護衛した船からもらった139通の感謝のメッセージだった。食堂などにはって、隊員の士気を高めた。

本書に収録された五百旗頭防大校長(当時)の話が面白い。士官学校交流を中国にもちかけたが中国内に21もの士官学校があり、防大の適切なカウンターパートがわからなかった。そこで外交部、国防部を経由して本丸の総参謀部に確認したところ、陸は人民解放軍理工大学(南京)、海は艦艇学院(大連)、空は航空大学(長春)が中心であるとの確認がとれたとのこと。 中心の指すところは定かではないが、いわゆる中心なのだろう。

学会発表

4月12日に京都で学会発表に参加してきた。

一般的に評価されている学者ほど真摯な態度で発表に望んでいるように見えた。良く言えばまじめ。悪くいえば堅苦しい。 冗談で笑いをとりにいくこともなく、与えられた議題に正面から回答することにすべての力を使う。 難しい言い回しは控え、自分の意見をシンプルに伝えようとする。

自分の発表で「内容がアップデートされていく」「会議をオーガナイズする」などという横文字混じりの普段つかわない表現をしてしまった。よくないなぁ。 より自分の発表の狙いを明確に強い言葉で表現するようにしないと特に同じテーマで複数の発表者がいる場合に埋もれてしまう。

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ガイダンス

院生向けのガイダンスがありキャンパスまで行く。 Wifiや各種アカウント作成を済ませた。ついでに今後お世話になるであろう先生と職員の方にご挨拶をした。

最後に図書館で学位論文の棚をながめた。製本というのはこのことなのね。 過去の博士・修士課程の論文が見事一律のフォーマットでならんでいた。早くここに自分の論文を並べたい。

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Abstract

abstract in 400 to 600 words make me spend a lot of time.

Abstracts should be 400 to 600 words in length. Shorter abstracts are unlikely to provide sufficient detail to permit the Committee to evaluate adequately the proposed research. Material beyond the length limit will not be considered. The abstract should not contain a detailed literature review. The reviewers will likely be familiar with the topic of the paper and will require at most a short paragraph of background. The largest part of the abstract should describe the proposed research in as much detail as is necessary. This includes (a) a clear statement of the objective of the paper including, where appropriate, the insight developed or hypothesis being tested; (導かれた考察、検証する仮説が明確にされた論旨が明記されること。)(b) a description of the analytic method employed to develop the paper’s results or test its hypotheses(論文の結論や仮説の検証のために用いられる分析手法が記載されること); (c) a description of the data assembled to support these insights or perform these tests; and (分析に用いられるデータが記載されること)(d) a short explanation as to why the research is novel(新規性を端的に). While the proposed research need not involve empirical methods(研究は経験的手法を用いる必要は必ずしもなく), the conference is seeking scholarship that significantly advances current research or research methods(既存の研究や研究手法を超える学識を求める). If the paper is substantially complete, the abstract should summarize the results. (論文が相応に完成しているのであれば結果のサマリーが含まれるとよい) Further, the author should state whether the paper has already been presented or published in an acceptable venue (e.g. dissertation, working paper, position paper, document in SSRN, or a non-reviewed conference), and, if so, provide details of when and where. If the author DOES NOT wish to have the proposal considered for presentation in the Poster session (see below), the abstract should make that clear. The abstract SHOULD NOT CONTAIN the author’s biographical information.

緊張高まるウクライナ情勢

サイバー関連でもチラホラとトラブルが出始めている。 Russia Todayのサイトがウクライナのグループにより改ざんされたほか、DDoSなどのいつもの攻撃も確認されている。

ウクライナ政府関係者は携帯電話の接続断、盗聴について危機を訴えている。

ウクライナ:携帯電話システムにサイバー攻撃http://www.huffingtonpost.jp/2014/03/05/ukraine-cyber-attack_n_4901392.html?utm_hp_ref=japan-world

The Ukraine-Russia Cyberwar Has Already Begun | Motherboard http://motherboard.vice.com/read/the-ukraine-russia-cyberwar-has-already-begun

Twitter / RT_com: RT website has been hacked, ... https://twitter.com/RT_com/statuses/439974517268840448

『決定の本質』 グレアム・T・アリソン著

これは重い本でした。

私は、公務にたずさわることなしに史書を著した学者や、また、あまり考えもせずに新しい事態を作り出すことに没頭している政治家をみかけることがある。私が観察するところでは、前者はつねに一般的な原因を見出す傾向があり、他方、関連性に欠日常的事実の中に生きている後者は、すべては特定の偶発事件に起因するものであり、そして自分が世の中を動かしているのだと思い込みがちである。どちらも同じく誤っていると考えてよかろう。 ーーー アレクシス・ド・トクヴィル

決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析

決定の本質―キューバ・ミサイル危機の分析

パズル・パレス ジェイムズ・バムフォード著

パズル・パレス―超スパイ機関NSAの全貌

パズル・パレス―超スパイ機関NSAの全貌

NSAおよびその前身となった組織におけるSIGNITの成立の歴史を紐解く一冊。筆者の取材がどれだけ大変だったのかは想像を絶する。

本書の内容を通じて、過去からの教訓としていくつか抜き出すとすれば、次の3つだろうか。

情報機関の本部は「ど」田舎には作れない

1950年、NSAの前進であるAFSAはケンタッキー州フォートノックスに移転が決められた。しかしAFSAは通常の軍機関ではなく職員もエリート科学者・数学者であり、職員は移転に大反対。結果1952年1月4日に国防長官は命令を撤回し、やがてD.C.に近いフォート・ミードへの移転が決まった。(p73あたりから要約) つまり今後も情報機関は各国の首都やそれに近い場所に物理的に位置するのであろう。

暗号解読よりも簡単な方法がある

暗号解読学は鉛筆からクレイ1コンピュータにいたるまでに目覚しい変化をとげたが、つねに変わらない原則がひとつある。暗号解読を試みるより、暗号を盗むほうがはるかに簡単で経費もかからないということだ。 p286より引用

組織内情を暴露せんとする職員はスノーデンが初めてではない

スノーデン以前にNSAの秘密を外部に公表したものとしては、マーティンとミッチェル(1960年)とジャック・エドワード・ダンラブ(1960年台)、ヴィクター・ノリス・ハミルトン(1963年)などがいる。 NSAは今後も同様のスキャンダルへの対応が必要になるのであろう。

"the authoritative allocation of values" by David Easton

午後にとある公開シンポジウムにコメンテーターとして参加させていただく。見よう見まねとはまさにこのことである。そして参加者の顔ぶれが濃かった。。。両隣も濃かった。。。

今日知ったかっこいいことば。 政治とは社会に対する価値の権威的配分(the authoritative allocation of values for a society )なんだそうだ。

"authoritative allocation of value http://en.wikipedia.org/wiki/David_Easton

成績証明書

母校に学部時代の成績証明書を取得しに行く。手数料200円なり。

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改めて学部の成績の悪さには我ながらあきれてしまう。 母校ではAA:100-90 A:89-80 B:79-70 C:69-60、そして単位を認められないDという判定基準である。得意としている英語は1,2年の必修クラスの成績がC。人の宿題を手伝ってあげたほどの「コンピュータ・アプリケーション」もC。全体として多くの科目がCであった。(ちなみにGPAが2点台に届いていない)

今振り返るとこの惨憺たる成績については理由を2つあげることができるかもしれない

1)勉強の仕方がわかっていなかった。 義務教育から大学を卒業するまで一貫して僕には勉強するということの意味がわかっていなかった。勉強が嫌いだったわけではない。ただ試験勉強が苦手だった。 勉強するというのは時間をかけて何かを身につけるものであるが、身についているかどうかの判定は試験で計られる。試験をくぐり抜けることがゴールである。 であれば、試験の内容を確認して、そこにたどり着く最短のルートを選んで努力をするのが効率的だ。それができなかった。長時間本を開いて勉強した気になっていた。勉強の仕方がわかっていなかった。

2)勉強が好きではなかった。 勉強が好きでなかったというよりは、コンピューターを触っているのがただ楽しかったのだ。工学部に進学していればそこそこどんな課題も楽しんでこなしたんではないだろうか。いかんせん文系学部では、磨いたスキルはゼミのホームページを運用するくらいにしか使えなかった。

言い訳はいいのだ。これから一生懸命研究して取り返せばいいのである。ただ、「もしもあの時、、、」とふとしたときに思うのはしかたのないことだと思う。

In last few days

There are many progress during last few days.

and most importantly...

  • Had a relaxing trip to Hakone. I indulged myself too much.

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