Before Cyberspace Falls Down...

"Atoms for peace and atoms for war are Siamese twins” Hannes Alfven

PM Abe's urged Military-to-Military dialogue between Japan-China.

PM Abe made an interesting remark on Japan-China relations. You can get the overview of his remark on Financial Times.

In fact, Mr Abe explicitly compared the tensions between China and Japan now to the rivalry between Britain and Germany in the years before the first world war, remarking that it was a “similar situation”. http://blogs.ft.com/the-world/2014/01/davos-leaders-shinzo-abe-on-war-economics-and-women-at-work/

Some online right-wingers think highly of it.

Mr Abe also made it clear that he would regard any “inadvertent” conflict as a disaster – and he repeated his call for the opening of a military-to-military communication channel between China and Japan. http://blogs.ft.com/the-world/2014/01/davos-leaders-shinzo-abe-on-war-economics-and-women-at-work/

I guess no one against with the idea of seeking CBM between Japan and China.

宇宙空間のCBM

第4の空間でのCBMsの議論について調べるなかで、平成21年度に外務省の委託研究で行われた「新たな宇宙環境と軍備管理を含めた宇宙利用の規制」研究会報告書の中の5章をよむ。(http://www.cpdnp.jp/003-01-010.html)

2007年の国連総会で、ロシアが提案した「宇宙空間における活動の透明性・信頼醸成措置」に関 する決議(A/RES/62/43)で一応の決着を見ているとのことだが、確かにCBMを準備することについて国際的な合意がなされているが、では具体的に何をするのか?という点はまだわからない。

宇宙空間の世界では議論がサイバー空間よりもだいぶ成熟していて信頼醸成措置が一応の決着をみているのは朗報である。私はサイバーはそうなれないのではないかと直感で考えているが、、、

  • Prevention of an Arms Race in Outer Space: Study on the Application of Confidence-Building Measures in Outer Space, UNGA Res 48/305 (15 October 1993).
  • UNGA Res 45/55B (4 December 1990).

公聴会観戦

公聴会、フォーマル発表2件、インフォーマル発表を聞く。発表の水準は素人目にも玉石混交である。

課程5年目の留学生の公聴会は研究対象が手広いのだが、全方位に綻びがすくない。背後の勉強量が滲んでくるものだった。それをある先生が生臭さがないとコメントしていたのが印象的だった。彼の研究はたとえるなら京懐石料理だ。 別の発表は釣った魚をその場でさばいて醤油をかけただけの漁師料理のようなものだった。それを料理とはいわないと厳しい指摘がなされていた。

自分がアチラ側にたったとして、尖った研究、新規性あふれることはそれほど難しくないが、丸い珠を作るのは骨が折れるだろうと想像する。

地元の喫茶店で論文を読み進める。刺激があった日の勉強ははかどる。

学者が政治、行政の一端をになうことについて

丸山真男の「文明論之概略を読む 上」を読んで、福沢諭吉が学者の仕事は対局をつかむことにあり、政治家/官僚の仕事は時々刻々と移ろう「いま」に対応することであるという趣旨の言葉を残していることを知った。どちらが偉いとかではない。ただ役割が違うのであるから、学者が「いま」に埋没していくのは好ましくないというのが福沢の言葉だ。

これとまるっきり逆というわけではないが、国際政治学者でソフトパワー(スマートパワーなど)の提唱者として有名なジョセフ・ナイはキャリアの中で政府の要職と研究機関で教鞭をとる仕事を行きつ戻りつしたことが、実務にも理論研究にも役だったといっている。

しばらく、両者の意見の相違の源を想像してみる。。。

文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)

文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)

「信頼醸成措置」概念のルーマン理論による再規定

『「信頼醸成措置」概念のルーマン理論による再規定 ――OSCEにおける信頼醸成措置を手がかりに―― 』。新田裕子氏、立命館大の修士の学生。2004年の国際関係論集

明解な論文である。信頼醸成措置の論理から始まり、具体的な措置、その成立の歴史を特に冷戦期の欧州での動きをもとに紐解いていく。後半は斜め読みしたが、ルーマン理論を用いて信頼醸成措置がその字面から想起されるような個人間の信頼などの延長ではなく、システムへの共通の信頼により成立するものであるということを言おうとしているのだと思う。

私にとって重要なのは米ソ冷戦の時代に信頼醸成の進化の主たる議論の場がずっと欧州であったことであり、今後はストックホルム文書を読むべきということが明らかになったことだ。

原稿依頼、新Macbook購入

原稿依頼あり。5月のGW明けまでに15000字。内容はかなり自由度が高い。詳細は出版社からの説明待ちだが、上司の許可を得たので受けることになる前提で目次づくりにとりかかる。

Macbookを買う。Retinaディスプレイの美しさでPDFの論文を読む作業も捗るとよい。さっそくMendeleyをインストール。

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本来の箱を小さめのダンボールに入れて、さらに大きいダンボールにいれて佐川急便が届ける。梱包丁寧すぎる気がします。

国際紛争 原書第9版 by ジョセフ・ナイ

ジョセフ・ナイの国際紛争 原書第9版をドトールで読む。理論家としても実務家としても一流の著者の解説をよみすすめる中でやはり理論や歴史に関する最低限の理解がないと実務はできないということを再認識させられた。

国際紛争 原書第9版 -- 理論と歴史

国際紛争 原書第9版 -- 理論と歴史

ところで、あまりかっこいい話ではないかもしれないが、国際政治学たん(https://twitter.com/Morgenthau0217)のツイートはとても勉強になる。学者の論文では参考文献をこれでもかと載せるため、どれが重要な文献なのかが一見にはわかりようがない。短いツイートで、国際政治の世界の定番書を知ることができて大変助かっている。

戦国大名の「外交」 by 丸島 和洋

戦国大名の「外交」 by 丸島 和洋

戦国大名の「外交」 (講談社選書メチエ)

戦国大名の「外交」 (講談社選書メチエ)

歴史好きの母のすすめで購入して、正月の息抜きに読む。(息抜きと表現するのは、私は戦国武将の歴史についてはまったくの門外漢であるからである。本書が容易い本ということでは無い。)

筆者はまず戦国時代の大名は「国家」であったとする。大名に戦国法の制定権があり、彼らは自領を「御国」「国家」と表現し、そしてポルトガル人宣教師たちは諸大名が王であるとして本国に報告をしている。

そして大名、すなわち当時の国家間での外交の一部を、古文書を読みやすい現代文に書き下すという手法も用いて、華麗に再現してみせた。

当時の取次はつまり現代の外交官であり、起請文は条約文であり、書札礼は外交(儀典)プロトコルであり、手筋はチャネルである。現代の外交と本質的な違いはない。

一方で当時の外交官(取次)は、現代の職業外交官と違う点もある。和平交渉の相手方から知行地を与えられたり、独断でうごいたりする。また電話もメールもない時代であり、甲斐と今川ですら数日のタイムラグが発生する。

当時の外交の手順の中でも、第三者に書簡をよまれないよう暗号が用いられていたと想像するが、その点については本書では触れられていないのが個人的に残念であった。

本書がよかったのは、筆者があとがきに吐露するように、細分化し矮小化していく個別の戦国大名研究へのアンチテーゼとして外交という視点から複数の大名を横断して分析を行ったところ、そして「専制的で」武力による領土拡大しか頭にないというイメージの強い戦国大名像を打ち破る爽快感を感じられるところである。

おもしろかった。

安全保障のポイントがよくわかる本 武田泰裕編

安全保障のポイントがよくわかる本を読む。初学者に対して、思考を深めるための問いかけに富んだ良い本だった。

安全保障の課題となる脅威の発生源が多様化している。新しい安全保障は侵略、武力介入、大量破壊兵器などの伝統的安全保障での脅威だけでなくテロリズム、人権弾圧、通貨危機飢饉、貧困などまでを脅威と捉えている。

サイバー兵器は核兵器にたとえられることがあるが、実は生物兵器化学兵器の拡散防止の考え方のほうが応用が容易に思えてくる。「生物毒素兵器禁止条約(1975)」と「化学兵器禁止条約(1997)」の2つの国際条約については調べてみる必要があると思った。

安全保障のポイントがよくわかる本―“安全”と“脅威”のメカニズム

安全保障のポイントがよくわかる本―“安全”と“脅威”のメカニズム

I passed

This will be my last post under "admission" category.

My PhD research will start from next April. It is a challenge to overcome or to mitigate fear of cyber conflict. I choose Career Professionals Program in Keio University, Graduate School of Media and Governance. Therefor I may pursue most of my current assignment. (which means I will keep on traveling to your place!)

I'm so glad that I could managed to place myself on the start line of long journey.

演習

ある種の状況を想定して、対応をシミュレーションする演習はサイバーの世界でも最近流行しているといっていいとおもう。

演習にも規模や現実感のもたせかたで色々な種類がある。 アメリカ政府が主催しているCyber Stormは全て仮想のシナリオに対して、参加者が自らの対応を考えるいわゆる「机上演習」であるが、アメリカ空軍主催のEligible ReceiverやBlack Demonなどは実際に軍が使うネットワークに攻撃をしかけるというものであったという。

演習は軍隊の現場から生まれたものと推察するが、その実施法などについて包括的に解説する文書がなかなかみつからない。

とりあえず2つ読んでみた。

Adams, W. J., Lacey, T., Gavas, E., & P. Leblanc, S. (2010). Collective Views of the NSA / CSS Cyber Defense Exercise on Curricula and Learning Objectives. コメント:NSA/CSSが少なくとも2008−2009に実施したThe Cyber defense Exercise(CDX)からの知見

Schepens, W. J., Schafer, J., Ragsdale, D. J., & Surdu, J. R. (2002). The cyber defense exercise: an evaluation of the effectiveness of information assurance education. コメント:米国士官学校West PointでのCyber Defense Exerciseの様子。

中野宏幸, & 大林厚臣. (2008). IT 障害に関する分野横断的演習の取組み ― 分野を超えた情報共有と連携協力の仕組み づくりに向けて ―. 社会技術研究論文, 5, 143–155.

Finish entrance exam

I finally finish my entrance exam today. I had to stand-by 1.5 hours, and then my interview was over in just 15 minutes :)

Anyways, I am so happy that I managed to survive three weeks trip to Asia and Africa, a week of intense training for cyber security exercise and then entrance exam.

Now I can sleep for a while...

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It was not a peace of cake.

3 weeks, 4 countries, 7 airports, 27000 miles

I am about to leave 3 weeks long biz trip which I stop by 4 cities.

3 weeks is too long. It is my longest biz trip ever. But it's ok. The problem is weather will be quite different in SE Asia, Africa and America. Thus I need to pack my swimsuits and winter coat in one case.

I shall return to home safely.

エシェロンとニュージーランド GCSB

オーストラリア政府の友人に勧められ、ニッキー・ハーガーの「シークレット・パワー」という本を読んだ。なおどうでもいいことだが、エシロンではなくエシロンが正しい発音であるとのこと。

概要

著者はニュージーランドのジャーナリスト。綿密な取材によりニュージーランドの情報機関GCSB(Government Communications Security Bureau)の成立経緯から本書発売時の1996年までの主たる活動を紹介し、あわせてUKUSA同盟国(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)が行った共同諜報活動(エシェロン)を詳細に紐解く。ニュージーランドが日本を含む友好国や差し迫った脅威とはいえないロシアの通信を傍受してきたことについて、筆者はリスクやコストに見合うメリットがないと批判し、合わせてGCSBがときに首相や議会に情報を隠蔽して諜報活動を行ったことを厳しく批判している。筆者はニュージーランドがUKUSA同盟から脱退することをすすめている。
原著は1996年、訳書は2003年に刊行されており、特に技術的な記述は既に時代遅れとなっている可能性が高い。

内容

GCSB本部と傍受基地

2003年にGCSB Actが成立し根拠法が制定される。1996年時点でニュージーランド人常勤職員は200名。うち70人ほどは二箇所の傍受基地に配属されている。1992年に作戦担当部門の体制を一新し、その当時の組織図は以下の通り。

f:id:cyberconflict:20131111155400p:plain 第7章 GCSBの内部組織 p.189 より

X部

防諜が主業務で、盗聴から政府施設を守り、端末のセキュリティを確保し、電磁波漏洩対策をし、適切な暗号化を施すのが目的である。

K部

KP課 PはPacificの意。南太平洋地域の軍・経済諜報を扱う。 KE課 EはEconomyを意味する。 日本の外交通信、ロシアと日本の漁業活動についての諜報活動を行う。対日諜報活動はそれまでのK3班の任務をKE課がまるごと引き継いだ。 KH課 暗号解読がミッションだが96年時点で職員5名と活動量は相対的に小さい。

C部

ワイホパイとタンギモアナの基地システムの準備部隊。 CS課 衛生通信傍受施設の担当 CT課 地上無線通信傍受施設の担当

L部

顧客支援、つまりは関連省庁への配布やリエゾン機能を持つ。

K部の分析官はUKUSA同盟の他国情報機関と密接な繋がりをもっていた。1988年以前はオーストラリア防衛通信司令部へ、それ以降はカナダ情報通信保安局へ出向者がおおかった。その他の部局もNSAやGCHQなどからの教育支援、機材提供などを定期的にうけている。

タンギモアナ傍受基地

1982年に開設された。認識番号:NZC-332。正式名称はタンギモアナ国防通信部。オハケア空軍基地にも同盟の組織があり、まぎらわしい。 短波(HF)通信の傍受を主目的とする。具体的には近隣海域を航行するロシアの船舶無線など。方向探知アンテナとHFDF(短波方向検知)システムを備える。

ワイホパイ傍受基地

コードネーム:Flintlock 認識番号:NZC-333 現在はブレニム国防衛星通信部隊としてしられる。89年9月8日より正式稼働。東経174度上空をとぶ静止衛星インテルサット701号機からのダウンリンクを傍受する。

艦載傍受基地

上記の基地以外に海軍の軍艦にも常設に近い傍受施設があると考えられている。86年から海軍フリゲート艦はたびたびGCSB職員やオーストラリア海軍の信号諜報部員をのせて南太平洋を巡回していた。87年9月25日のフィジーのクーデター時もスバ付近に停泊し、主に軍や政府が用いるVHF帯の無線を傍受していたと考えられる。主力艦であるカンタベリー号とウェリントン号にNZC-334とNZC-335という認識番号をつけた内部文書があることから、日常的な活動の一環であったと推察される。

この他にジェラルトン傍受基地(オーストラリア)が緊密に太平洋地域のオペレーションに関連していたことがわかっている。 正式名称はオーストラリア国防衛星通信局(ADSCS)。1993年に運用開始。インテルサット703号機からのダウンリンクを傍受する。(他にインド洋上東経60度および63度の赤道上空の2機のインテルサット、さらに東経91.5度の新インテルサットも標的にしている可能性が高い。)

エシェロン

ニュージーランドにおいてエシェロン参加はなし崩し的になされた。議会や政府での公式な議論はない。ニュージーランドにおいては国防長官だったデニス・マクリーン氏と首相府長官と内外保安事務局(OCDESC,Officials Committee for Domestic and External Security Co-ordination)の諜報政策調整官をつとめたジェラルド・ヘンズリー氏の二人の元外交官が積極的に動いた。ロンギ首相は詳細を知らされることがなかった。 技術面ではNSAやGCHQからの様々な形の協力があった。特にアメリカはGCSBの政策計画担当部長(1984-1987)としてNSAのグレン・シングルトン氏を派遣するなど、積極的にGCSBのUKUSA秘密協定への取り込みをはかったと推察される。

  • UKUSA同盟における合意文書は公開されていないため、本同盟の内実を正確に把握することは困難
  • 各国諜報機関が使う機密度のラベルはSPOKE,MORAY,UMBRAなど5文字で統一されている。
  • GCSBにはNSAから日々大量の情報が送られてきており、その対価としてニュージーランド国土上の基地を運用し、そこで収集したRaw dataをNSAに共有した。
  • NSAからはまれにDRUID指定の情報共有もあった。(ソースがUKUSA協定に協力する第三当事国、日本、ドイツ、デンマークノルウェー、韓国などのものをDRUID指定する)
  • ニュージーランド内部でエシェロンから得られる情報として評判がよかったのは世界中のテロリストの動向をまとめた報告書

対日諜報活動

GCSBの活動を調べるうちに、筆者はUKUSA諸国が日本の外交通信を一つの大きな目標に据えていたことを発見する。それはUKUSA諸国の全ての情報機関が対日SIGINT専門の組織をもっていたことからわかる。

JADインテリジェンスと呼ばれるそれらの情報はニュージーランドにおいてはGCSBのKE課で解析される。GCSBが分析の対象としていたのは、VISAの発行やイベントの案内などの外交日常業務に因る公電、あるいは在外公館から東京への定期報告である。 NSAが開発した公電暗号解読システムがGCSBに提供されており、GCSBはこれを利用して解読を行い、結果をUKUSA諸国に共有した。

日本の外交公電はさほどの機密情報ではない、ただ日本の外交官がたまにより慎重に扱うべき情報を強度の弱い暗号でおくることがあるという。GCSB内では「80年代のはじめに、日本の外交官が、貿易産品の価格交渉で提示できる買い入れ上限値を日常連絡用のチャネルで送り、瞬く間にUKUSA諸国で共有され、ニュージーランドは大儲けした。」という逸話が伝わっているという。(ウルグアイ・ラウンドのことか?)

GCSBおよびエシェロンへの批判

傍受情報の有用性

1987年5月のフィジーのスバでのクーデター発生時にはGCSBは総力をあげて通信傍受をおこなった。しかしクーデター首謀者のランブカ大佐はニュージーランド軍での訓練経験もあり、防諜にも配慮していた。結局在フィジーミッションや軍部の人づての情報の方がよほど役に立った。グリーンピースの「虹の戦士」号爆破事件のときもGCSBは事前にそれを察知することはできなかった。

筆者は「情報源をむやみに増やしても、最終的な政府の判断を変えてしまう力にはならないのである。」と言っている。

諜報活動の透明性確保

その活動の性格上、これは大変むずかしい。警察の活動はすべて法律によって明確にしばられているが、同様の法律は当時のニュージーランドにはなかった。 現実的には首相あるいはごく一部の治安担当閣僚だけに、その活動の成果を報告することになるが、諜報機関のトップから報告をうけた首相は、そこで「他の閣僚にもお伝えしますか?」と尋ねられるとたいてい「いまはまだ私ひとりで検討したいから・・・」と答える。秘密のひとりじめを好むのは労働党にも国民党にもいたという。

外国産のインテリジェンス情報はバイアスがかかっている

自分たちが手に入れた諜報成果を他所の国に提供する、という行為には当然思惑が込められている。国際情報同盟が機能するにはいくつかの政治的な前提を必要とする。

  • メンバー国はいずれも全く同じ興味と関心を抱いている
  • メンバー国が友邦、敵性国とみなしているのはいずれも同じ相手である
  • メンバー国は同じ世界観を持ち、外交政策や防衛政策の目標も全く同一

現実にこの前提が成立する条件はありえず、したがって国際連携は機能しない。

以上の前提から最終的に筆者は、ニュージーランドは勇気を持ってUKUSAを離れるべきだと主張する。そしてGCSBはUKUSA同盟の歯車からニュージーランド国民の奉仕機関になるべきだという。小国が大国の利害に真っ対挑戦するという構図になり、難しい決断であるのはもとより覚悟である。

感想

PRISMやらスノーデンやらが日々紙面をにぎわす昨今、あらためて米国の過去の諜報活動の能力を見なおしていみるという営みが必要ではないかと思い、本棚から取り出して読んでみた。 ニュージーランドは小さな島国であり、筆者の言葉を借りればNSAから分析された情報をもらう代わりに、観測情報を貢いでいた。そこにあるのは大国vs小国の図式で対等な関係はなかったという。日本がたとえば米国の情報機関との共同オペレーションを行う可能性があるならば先人であるニュージーランドの事例から学ぶものは多いはずだ。

なおニュージーランド国内で問題となり、2013年8月に議会の承認を得たGCSB Billについては以下がくわしい。 1. GCSB Bill becomes law - Story - Politics - 3 News 2. Transcript of Nicky Hager from GCSB Town Hall Public Meeting « The Daily Blog

GCSBと諜報活動は古くて新しい問題なのだ。

装丁、出版社が怪しすぎて電車の中で読んだら「同志よ!ともに権力の横暴と闘おう!」と勧誘にあいそうである。

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