河野圭子「中国、北朝鮮、ロシアのサイバー攻撃 ー日米欧の対応ー」 『戦略研究 18』 (2016) pp99-111.
伊東寛著『第5の戦場』と土屋大洋著『サイバー・テロ 日米 vs. 中国』の書評論文である。筆者は法律の専門家の視点から サイバーの専門家の伊東氏と土屋氏の記述について法的な課題を解説している。
例えば中国がサイバー犯罪条約に加盟を拒む理由について、筆者は『本条約の下では、引渡しも自国での訴追もしない、という消極的な姿勢を取ることは許されていない。』点にあるのではないかと指摘する。
自衛隊がサイバー兵器を開発することについて、土屋氏、伊東氏がそれぞれ「想定されていない」「ウイルス作成罪に問われてしまう」と見解を示しているが、筆者河野氏はいくつかの条件を満たしたうえで、ウイルス作成罪の適用は不適切という判断ができる可能性を示唆している。
- 作者: ・,戦略研究学会
- 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
- 発売日: 2016/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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