Before Cyberspace Falls Down...

"Atoms for peace and atoms for war are Siamese twins” Hannes Alfven

「信頼醸成措置」概念のルーマン理論による再規定

『「信頼醸成措置」概念のルーマン理論による再規定 ――OSCEにおける信頼醸成措置を手がかりに―― 』。新田裕子氏、立命館大の修士の学生。2004年の国際関係論集

明解な論文である。信頼醸成措置の論理から始まり、具体的な措置、その成立の歴史を特に冷戦期の欧州での動きをもとに紐解いていく。後半は斜め読みしたが、ルーマン理論を用いて信頼醸成措置がその字面から想起されるような個人間の信頼などの延長ではなく、システムへの共通の信頼により成立するものであるということを言おうとしているのだと思う。

私にとって重要なのは米ソ冷戦の時代に信頼醸成の進化の主たる議論の場がずっと欧州であったことであり、今後はストックホルム文書を読むべきということが明らかになったことだ。